開発担当者の技術・技能の確認

アジャイル型開発では、開発担当者同士が情報共有や助言、提案を行いながら、個々の開発担当者が自律的に判断して開発業務を進めるため、そのような開発を行うことができる専門的な技術者が必要となりますが、国内ではアジャイル型開発を経験した技術者が少ない等の状況にあるため、開発担当者の技術や技能について、一定の水準を確保することが重要です。そこで、発注者から受注者に対し、開発担当者の技術・技能レベルや経験年数等を記載した「スキルシート」の提出を求めたいのですが、これに何か問題はありますか。

適正な請負等と判断されるためには、受注者が自己の雇用する労働者に対する業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行っていること
及び請け負った業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することが必要であり、そのためには、受注者の労働者の配置等の決定及び変更について受注者自らが行うことが求められます。

そのため、発注者が特定の者を指名して業務に従事させたり、特定の者について就業を拒否したりする場合は、発注者が受注者の労働者の配置等の決定及び変更に関与していると判断されることになり、適正な請負等とは認められません。

他方で、アジャイル型開発において、受注者側の技術力を判断する一環として、発注者が受注者に対し、受注者が雇用する技術者のシステム開発に関する技術・技能レベルと当該技術・技能に係る経験年数等を記載したいわゆる「スキルシート」の提出を求めたとしても、それが個人を特定できるものではなく、発注者がそれによって個々の労働者を指名したり特定の者の就業を拒否したりできるものでなければ、発注者が受注者の労働者の配置等の決定及び変更に関与しているとまではいえないため、「スキルシート」の提出を求めたからといって直ちに偽装請負と判断されるわけではありません。