管理責任者の選任

アジャイル型開発において、開発チーム内では、個々の開発担当者が自律的に開発業務を進めることとしていることから、受注者側の管理責任者を選任していても、すべての会議や打ち合わせに同席しているわけではありませんが、この場合、偽装請負となりますか。また、管理責任者を選任していれば、偽装請負と判断されることはありませんか。

アジャイル型開発において、実態として、発注者側と受注者側の開発関係者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発担当者が自律的に判断して開発業務を行っていると認められる場合であれば、偽装請負と判断されるものではありません。そのため、両者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発担当者が自律的に開発業務を進めている限りにおいては、受注者側の管理責任者が会議や打ち合わせに同席していない場合があるからといって、それだけをもって直ちに偽装請負と判断されるわけではありません。

他方で、受注者側の開発担当者に対して業務の遂行方法や労働時間等に関する指示を行う必要がある場合や、開発の進捗に遅れが生じた際などに、受注者側の開発担当者に対し、仕事の割り付け、順序、緩急の調整等に関して指示を行う必要がある場合には、受注者が管理責任者を選任するなどして受注者自ら指揮命令を行う必要があり、発注者側の開発責任者や開発担当者が、直接受注者側の開発担当者に当該指揮命令を行ってしまうと、たとえ受注者において管理責任者を選任していたとしても、偽装請負と判断されることになります