労働者派遣事業関係業務取扱要領 総目次
第9 派遣先の講ずべき措置等
5 派遣労働者への雇用契約の申込み義務
(1) 派遣受入期間の制限のある業務に係る雇用契約の申込み義務
(2) 派遣受入期間の制限のない業務に係る雇用契約の申込み義務
イ:概要
派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所(以下「事業所等」という。)ごとの同一の業務(4の(3)のイの@からDに掲げる業務に限る。)について、派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者にかかわる労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該3年が経過した日以後労働者を雇入れようとするときは、当該同一の派遣労働者に対し、雇用契約の申込みをしなければならない(法第40条の5)。
@「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」とは、課、部、事業所全体等、場所的に他の部署と独立していること、経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の様態等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断する。
A「同一の業務(4の(3)のイの@からDに掲げる業務に限る。)」とは、事業所等における4の(3)のイの@からDまでに相当する業務のうち同種のものをいう。
例えば、機械設計の業務(4の(3)のイの@の業務(いわゆる「26業務」))に、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れている派遣先については、当該派遣先において機械設計に主として従事する業務に新たに労働者を雇入れようとするときは、当該派遣労働者に対して雇用契約の申込みを行わなければならない。
B「3年を超える期間継続して」とは、当該3年を超える期間中に、労働者派遣の受入れを停止していた期間があった場合であっても、当該停止期間が3か月を超えない場合には、「3年を超える期間継続して」労働者派遣の役務の提供を受けている場合として取り扱う。
C「当該3年を経過した日以後労働者を雇入れようとするとき」とは、派遣労働者の受入れが3年を超える日以後に雇用関係が開始される場合をいう。
例えば、平成20年4月1日に同一の派遣労働者の受入れが3年を超えることとなる業務があり、当該業務と同一の業務に平成20年4月1日から労働者を雇用する場合には、当該労働者の募集・採用行為を平成19年度中に行う場合であっても、当該派遣労働者に対して雇用契約の申込みを行うことが必要である。
D「労働者を雇入れ」るとは、雇入れの形態は特に問わないものであり、常用雇用に限らないものである。
なお、いわゆる在籍型出向の受入れについては、形式としては派遣先と出向労働者との間で雇用関係が生じるものであるが、一定期間経過後に出向元企業へ復職することが前提となっていること等から、労働者の「雇入れ」には該当しないものとする。
ロ:趣旨
派遣労働者の雇用の安定を図るため、派遣労働者の希望を踏まえて派遣先に直接雇用される機会をより多く確保するためである。
ハ:雇用契約の申込みの方法等
@新たに労働者を雇入れようとする業務について、3年を超えて受け入れている派遣労働者が、雇入れようとする人数を超えて複数名いる場合については、3年を超えて受け入れている派遣労働者全員に対し、雇用契約の申込みを受ける地位に対する応募の機会を与えた上で、試験等の公平な方法により、雇用契約の申込みを受ける派遣労働者を選考することで足りる。
A申し込み義務に係る派遣労働者の労働条件は、当事者間で決定されるべきものであるが、派遣先と派遣労働者との間で、派遣就業中の労働条件や、その業務に従事している派遣先の労働者の労働条件等総合的に勘案して決定されることが求められる。
B派遣労働者が法第40条の5に基づく派遣先からの雇用契約の申込みを断った場合において、当該申込みを断った時点から1か月以内に、当該派遣先が同一条件で再度労働者を雇入れようとするときは、再度の申込みをしなくても差し支えない。
ニ:雇用契約の申込み義務を果たさない場合の取扱い
(イ)厚生労働大臣は、3年を超えて派遣労働者を受け入れている派遣先が雇用契約の申込み義務を果たさなかった場合であって、法第48条第1項の規定による指導又は助言をしたにもかかわらず、その者がなお当該規定に違反している場合には、当該者に対し、法第40条の5の規定による雇用契約の申込みをすべきことを勧告することができる(法第49条の2第3項)(第13の3参照)。
(ロ)勧告に関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長が行うものとする。ただし、厚生労働大臣が自らその権限を行うことは妨げられない。
(ハ)指導、助言又は観光の決定は厚生労働大臣又は都道府県労働局長が行う。公表の決定は厚生労働大臣が行なう。
なお、最終的に勧告の前提となる段階における指導及び助言並びに勧告については、分書により期限を設けて行う。
雇用契約申込み勧告書には、当該勧告に従わない場合は、その旨を公表することがある旨を記載する。また、併せて公表方法を示すものとする。
(ニ)勧告を行うことを決定した場合には、次の様式による雇用契約申込勧告書を作成し、当該勧告の対象となる者に対して交付する。
(ホ)又、勧告から原則として1か月以内に公表すべく手続をとる。勧告に従わなかったときの公表の際には、企業名及び所在地、事業署名及び所在地並びに指導、助言、勧告及び公表の経緯について公表する.公表の方法はこれらの内容からなる資料を作成し、新聞発表することによる。
(ヘ)なお、上記の目的はあくまで派遣労働者の雇用の安定を図ることであることにかんがみ、個別の事案に即して弾力的な対応を図ること。
(3) その他留意点
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