労働者派遣事業関係業務取扱要領 総目次
第9 派遣先の講ずべき措置等
4 派遣受入期間の制限の適切な運用
(1) 概要
(2) 意義
(3) 派遣受入期間の制限を受ける業務の範囲
令第4条で定める業務
(4) 派遣受入期間の制限の適切な運用
派遣先は、法第40条の2の規定に基づき常用雇用労働者の派遣労働者による代替の防止の確保を図るため、次に掲げる基準に従い、事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。(法第40条の2、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の14(第9の15参照))。
イ:事業所その他派遣就業の場所については、課、部、事業所全体等、場所的に他の部署と独立していること、経営の単位として、人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有することと等の観点から実態に即して判断する。
ロ:同一の業務については、労働者派遣契約を更新して引き続き当該労働者派遣契約に定める業務に従事する場合は同一の業務に当たるものとする。
上記のほか、派遣先における組織の最小単位において行われる業務は、同一の業務であるとみなす。なお、この場合における最小単位の組織としては、業務内容について指示を行う権限を有する者とその者の指揮を受けて業務を遂行する者とのまとまりのうち最小単位のものをいい、係り又は班のほか、課、グループ等が該当する場合もあり、名称にとらわれることなく実態により判断すべきものとする。
ただし派遣労働者の受入れに伴い係、班等を形式的に分ける場合、労働者数の多いこと等に伴う管理上の理由により係、班等を分けている場合、係、班等の部署を設けていない場合であっても就業の実態等からこれらに該当すると認められる組織において行われる業務については、同一の業務であるとみなすものとする。
偽りその他不正の行為により労働者派遣の役務の提供を受けている又は受けていた係、班等の名称を変更し、又は組織変更を行うなど、従来の係、班等とは異なる係、班等に新たに労働者派遣の役務の提供を受け、又は受けようとする場合には同一の業務について労働者派遣の役務の提供を受け、又は受けようとしているものと判断する。
その他法第40条の2の規定に照らし、就業の実態等に即して同一の業務であるか否かを判断する。
ハ:「同一の業務」に係る判断の具定例は次のとおりである。
組織の最小単位(係、班等)内で異動
・仮に隣の机に変わった場合でも、それが同じ係、班の中の業務であれば、表面上は違った仕事に見えても「同一の業務」
として規制される。
・1つの係で庶務的な業務と営業事務補助の業務をしている場合に、派遣労働者が営業事務補助の業務で派遣されてきたが、
3年経ったので隣の人が行っていた庶務的な業務も併せて行うことはありうるが、こうしたものは期間制限違反として禁止される。同様に、3年経ったので営業事務補助の業務での派遣就業を終了し、隣の人が行っていた庶務的な業務での派遣就業をすることも期間制限違反として禁止される。
・1つの係で庶務的な業務と営業事務補助の業務をしている場合に、派遣労働者が営業事務補助の業務で派遣されてきたが、
3年後に当該業務が消滅し、隣の人が行っていた庶務的な業務に移ることも期間制限違反として禁止される。
組織の最小単位を超えた異動
・脱法を避けるという点に留意しながら解釈する必要があるが、基本的には「係」、「班」等場所が変われば「同一の業務」を行うとは解釈できず、違った派遣が受けられる。
・組織が、例えば類似の業務が多くていくつかの班に管理上便宜的に分けているに過ぎない場合には、実態を見て「同一の
業務」かどうか判断する。
・班を超えても、労務管理の便宜上、例えば特定の管理者の管理の範囲を超えるので班を3つから5つに増やした場合に、
ある班にいた派遣労働者が同様の仕事を別の班に移って行うことは「同一の業務」として解釈すべき。
組織の最小単位の名称(プロジェクトの場合)
・企業経営も変化を遂げて、中間管理職の排除であるとか組織のフラット化といった減少が進行していることから、係や班
というのは例示として位置づけ、基本的な概念は、同種労働を行って企業を支えている最小の企業組織を「同一の業務」の判断の中心にすべき。
・単に名前がプロジェクト・チームであっても実際には恒常的な係や班だということになれば、「同一の業務」の規定の適用を受ける。
派遣就業中に組織を再編した場合
・1つの係が2つに分かれてその係が実質的に違った業務を行っている、そういう再編成であれば「同一の業務」といえな
い場合もある。一方、形式的に分けた場合であれば、「同一の業務」を相変わらず行っていると判断される。
(参考)
なお、「同一の業務」については、更新された労働者派遣契約に基づき従前と同じ業務に就く場合のように紛れなく「同一の業務」に該当すると判断できる場合もあるが、わが国の企業組織においては、一般に個々の労働者の業務が細分化されて定義されておらず、上司の日々の指揮命令により所属組織の小掌握事務の範囲内で柔軟に業務を遂行している実態からすると、個々人の業務はめまぐるしく変わっていくため、いかなる範囲を「同一の業務」ととらえるか判断が難しい場合が多い。このため、業務の内容についての最小の指揮命令単位(指揮命令権者は通常何らかの役職者であるから、最小の指揮命令単位は最末端の役職者(「係長」、「班長」、「グループリーダー」等)及びその指揮命令を受ける労働者のまとまり=組織の最小単位となる。)における業務を「同一の業務」とみなすことを判断基準とするものである。
ニ:労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合に、当該新たな労働者派遣と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣との間の期間が3か月を超えない時は、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなす。
派遣受入期間の判断は第7の2の(2)のホの(ハ)とは異なり、継続していると判断される最初の契約の始期から最後の契約の終期までの期間により行う。
ホ:なお、ここでいう事業所とは、雇用保険法雇用関係法令における概念と同様のものであり、出張所、支所等で、規模が小さく、その上部機関等との組織的関連ないし事務能力からみて一の事業所という程度の独立性がないものについては、直近上位の組織に包括して全体を一の事業所として取り扱う。
(5) 派遣受入期間の設置方法等
(6) 派遣受入期間の適切な運用のための留意点
(7) 派遣受入期間の制限を超えて労働者派遣の役務の提供を受けた場合の取扱い
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